- 2013.11.22
- ミッドレンジ車載情報機器向け「R-Car M2」の発売および統合コクピット向けソリューションの開発について
~本ソリューションを核に、3か月で「R-Car コンソーシアム」パートナーを120社以上へ拡大~
2013年09月26日
ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役会長兼CEO:作田 久男、以下ルネサス)は、このたび、今後市場の拡大が期待される自動車の統合コクピットに対応するソリューションとして、「R-Car M2」SoC(System on a Chip:システムLSI)を製品化し、本日よりサンプル出荷を開始するとともに、新製品を搭載したソフトウェア開発ボードの開発に着手いたしました。
新製品およびソフトウェア開発ボードをワールドワイドのパートナーに幅広く提供していくことで、OSやソフトウェアプロバイダ等とのパートナープログラム「R-Car コンソーシアム」を中心としたエコシステム(注1)を拡大・強化してまいります。
新ソリューションは、
(1)従来の同クラスの製品「R-Car M1」に対しCPU性能を3倍以上、グラフィックスの性能を約6倍、さらにメモリバス性能を3倍と強化し、従来のハイエンド製品「R-Car H1」をも上回る総合性能を実現する「R-Car M2」 SoC
(2)すでに製品化している「R-Car H2」から、機能・性能を完全サブセット化することで、R-Car H2上で開発されたソフトウェアを流用・共通化したソフトウェアパッケージ
(3)R-Car M2を搭載したソフトウェア開発ボード
で構成されております。
当社はR-Car M2のサンプル配布を本日より開始するとともに、ソフトウェア開発ボードを本年12月より従来の1/5程度となる手に入れやすい価格で提供する計画です。
ルネサスは本ソリューションを核に、R-Car コンソーシアムの拡大を目指してまいります。特に海外パートナーは現在の15社から30社に倍増、トータルのパートナー数を本年度中に現在の99社から120社以上へ増やす計画です。
新製品 R-Car M2の量産は2015年6月から開始し、2016年6月には月産50万個を計画しております。
近年、車載情報機器は、カーナビゲーションなどの単機能製品から、スマートフォンに代表されるクラウドなどのIT技術との融合や、車載カメラによる周辺監視などの安全に向けた機能の統合がすすみ、運転者に、より一層の安心・安全・快適を提供する統合コクピットに進化しつつあります。このような統合コクピットにおいては、システムが複雑化・高度化するとともに、車輛メーカからの性能・機能・品質の要求も一段と高まっており、ユーザーの開発におけるハードウェア・ソフトウェアの開発難易度が上がり、開発費の高騰や、開発工期の長期化、製品品質維持の難しさなどが課題となってきています。
ルネサスでは、従来からユーザーニーズに応える車載情報端末向けSoC「R-Car シリーズ」を開発し、本年3月にはハイエンド車載情報端末向けに第2世代品の第1弾となるR-Car H2の市場投入を開始しております。また、ユーザーの開発効率向上に貢献することを目的としてOSプロバイダ、ミドルウェアプロバイダ、システムインテグレータなどをパートナーとするR-Carコンソーシアムを組織し、ユーザーである車載情報機器メーカの開発サポートを推進してまいりました。
今回、新製品R-Car M2を市場投入するとともに、新製品に対応する廉価な開発環境を新たに投入し、R-Car コンソーシアムのパートナーを海外中心に拡大することで、ユーザーの製品開発をサポートする選択肢を増やし、開発課題の解消に貢献してまいります。